6月12日、熊本市議会の竹原議長へ提出した要請書

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熊本市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について修正案

 修正動議

 議第92号
 熊本市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について修正案

 上記の議案に対する修正案を別紙のとおり提出する。
 平成18年3月22日

 提出者
 熊本市議会議員
 磯道 文徳
 東 美千子

 保健福祉委員長  鈴木 弘 様

 熊本市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案の修正について

 熊本市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例(平成18年議第92号)の全部を次のように修正する。

 熊本市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例

 熊本市病院事業の設置等に関する条例(昭和41年条例第54号)の一部を次のように改める。

 第1条中「及び熊本市立熊本市民病院附属芳野診療所並びに熊本市立熊本産院」を「、熊本市立熊本市民病院附属芳野診療所及び熊本市立熊本市民病院附属熊本産院」に改める。
 第2条第2項第3号を次のように改める。
 (3) 熊本市立熊本市民病院附属熊本産院
  産婦人科
 第2条第3項第1号中「540床」を「550床」に改め、同項第2号を次のように改める。
 (2) 熊本市立熊本市民病院附属熊本産院
  一般病床 28床

  附 則
 (施行期日)
1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。
 (熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正)
2 熊本市一般職の職員の給与に関する条例(昭和26年条例第5号)の一部を次のように改正する。
  別表第3備考中「、産院」を削る。
 (熊本市特別会計条例の一部改正)
3 熊本市特別会計条例(昭和39年条例第11号)の一部を次のように改正する。
  第1条第17号を次のように改める。
 (17) 削除
 (熊本市立熊本産院条例の一部改正)
4 熊本市立熊本産院条例(昭和39年条例第22号)の一部を次のように改正する。
  題名を次のように改める。
    熊本市立熊本市民病院附属熊本産院条例
  第2条第2項の表中「熊本産院」を「熊本市民病院附属熊本産院」に改める。
  第3条各号列記以外の部分中「熊本産院」を「熊本市民病院附属熊本産院」に改め、同条第3号中「前2号」を「前各号」に改め、同号を同条第5号とし、同条第2号の次に次の2号を加える。
  (3) 育児及び母子の健康に係る相談
  (4) 産後のケア事業に関することで次に掲げるもの
   ア 乳房ケア、沐浴指導、授乳指導その他の育児に関する技術の指導
   イ 産後における母親の身体的及び精神的な体調回復のための保健指導
   ウ 育児に関する知識の提供
  第5条を次のように改める。
  (使用料及び手数料)
 第5条 産院を利用する者は、使用料又は手数料を納めなければならない。
 2 使用料及び手数料は、その都度納めなければならない。ただし、入院の場合の使用料は、退院の際に納めなければならない
  (熊本市立熊本市民病院条例の一部改正)
5 熊本市立熊本市民病院条例(昭和39年条例第30号)の一部を次のように改正する。
  第7条を次のように改める。
  (使用料及び手数料の納付)
 第7条 病院を利用する者は、使用料又は手数料を納めなければならない。
 2 使用料及び手数料は、その都度納めなければならない。ただし、入院の場合の使用料は、市長が別に定めるところにより納めなければならない。
  (検討)
6 熊本市立熊本市民病院附属熊本産院については、この条例の施行後2年を目途として本市における妊産婦に対する支援等の状況について総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 保健福祉委員会附帯決議(案)

 議第92号「熊本市病院事業等の設置に関する条例の一部改正について」に関する附帯決議

 熊本産院については、平成18年4月1日以後も存続することとなるが、標記議案である熊本市病院事業等の設置に関する条例の一部を改正する条例の附則に、いわゆる検討条項が規定され、「施行後2年を目途として」本市における母乳育児の推進の状況、措置・福祉的分娩及び民間産科医療機関と行政機関の連携による妊産婦に対する支援体制の充実の程度等のほか、熊本産院の経営状況、病棟施設等の環境などについて「総合的な検討」を行い、その結果に基づいて「必要な措置」を講じることとされている。
 ついては、保健福祉委員会としては、「総合的な検討」が加えられる際の熊本産院の決算において、収支の均衡が図られることが望ましいが、たとえ、設備投資を含む支出額が収入額を上回る場合でも、退職手当に係る分を除いた支出額と収入額の差を少なくとも3,000万円以下にとどめるべきであって、これを目標として達成されるよう強く要請する。
 そして、これが達成されない場合には、熊本産院は廃止する。

 以上決議する。

平成18年第 1回保健福祉委員会−03月22日-05号


平成20年第 3回保健福祉委員会,09月16日-02号 参考人意見陳述

橋本武 参考人

 御紹介いただきました聖マリア学院大学の橋本と申します。

 今回、熊本で市立産院の廃止問題というのが出てきました。これは、全国で非常に大きな話題になっております。

 日本で市で赤ちゃんに優しい病院というのが3つあるのは熊本だけでございます。これは熊本の大きな財産、すごい財産だと思います。この赤ちゃんに優しい病院というのは世界的にユニセフ、WHOが認定をしている病院でございます。これは子供を産んだ女性を母親に、そしてお母さんと赤ちゃんの基本的な信頼関係、そこまで頭に入れてサポートとしてくださっている、そういう病院をちゃんと審査を受けて認定するところでございます。日本でまだ50施設ぐらい、そのうちの3つが熊本にある。すごいことでございます。これが廃院という話を聞いて今全国で非常に大きな話題になっている。きょう、ぜひ皆さんにお伝えしたいこと、今日本は子育て崩壊の危機の状況にあります。保育所の赤ちゃんが抱かれたら嫌がる赤ちゃんがもう5人に1人出てきている、こういう発表があります。いかに赤ちゃんが抱かれていないか。そして、幼稚園の子供たちが園でもう遊ばせられない状況に陥っている。けがが怖いから。幼稚園で子供が遊ばせられなくなったら、それはもう幼稚園じゃなくなります。それはもう子供の捕虜収容所に等しい状況になります。幼稚園でこそうんと遊び、そこで群れになって社会を獲得していく、それができなくなっている。そして、本来の教育と政策が今衰退しています。

 この3つが非常に大きなポイントなんですが、実は小泉内閣のときに、私は総理官邸の大臣プロジェクト委員会に呼ばれて、そこでもお話しさせていただきました。その一番に言ったのは、発想をまず逆転してくださいということです。

 例えば少子化、これも今は大人の立場からの少子化だけしか叫ばれておりません。子供の数が少なくなる。経済が危なくなる。年をとって年金がもらえなくなる。子供の立場は無視している。

 さらには虐待、これも形ばかりです。箱ばかりつくって、本来の予防が全くなされておりません。いじめ110番、電話110番。いじめ110番なんかつくってもだれも電話なんかしてきません。電話してくるような子だったら、自殺なんかにいきません。そういう形ばかりをつくって、予防は全くなされておりません。

 病時保育、駅前保育、いっぱいできました。もちろん、今共稼ぎがふえましたから必要です。必要だけれども、それは両親にとっては、親にとってはいいかもわからないけれども、一方で、じゃ子供の立場に立って考えたことがありますか。熱が出て苦しんでいる。それを親が休めないから病時保育に預けられて、しかも熱がある、感染が怖いから独房みたいなところに入れられて、これは子供にとっては大きなショックです。トラウマです。もっともっと子供の立場に立った政策を考えてください。

 ちょうど後藤田大臣がおられました。具体的に先生どうしたら、どういうものが考えますか。忌引休暇というのがあるじゃないですか。病時介護休暇というのを年に何回かつくったらいかがですか。それを受けて企業や会社がやってくれるなら、企業に国は補助を出したらどうですか。

 両輪を考えた政策を考えていただかないと、子どもはそっちのけにされてしまっております。

 こういうものを一生懸命唱えてきたんですけれども、まさに今回の熊本のこの問題というのは、ここの問題と類似するような点ではないかというふうに思います。

 虐待も全然減りません。どんどんふえております。そして、この虐待がふえますと、すぐ育児教育、そういう問題で論じられますけれども、乳児期までたどり着く論評はほとんどありません。

 神戸市で酒鬼薔薇事件がありました。あのときに初めて、あの子が乳児期どう育てられたかという話題が出ました。

 今起こっている子供たちの問題、キレる、いじめ、自殺、ほとんどが乳児期までたどり着く必要があります。赤ちゃんのとき、いかに育てられたか。

 これが最近皆さん御存じの脳科学者の茂木健一郎が新しくこの前言いましたね。もうこの基本的信頼関係、乳児期の赤ちゃんと子供の信頼関係、これがもう科学的に脳の発達障害との関係で実証されたということを述べられました。

 保護者が安全基地を与えてくれると、親に対して子供は愛着を得る。これが乳児期の基本的信頼関係、まさに裏切られない信頼です。これが今最も必要だということを述べられておる。

 これは昔から、もう科学じゃなくて、先祖が、先輩がやってきたことです。例えば、昔から、女は子供を産むだけじゃ母親になれんぞと言われてきました。じゃ、どうしたら母親になれる。もうちゃんと字が示しています。女という字に点々を加えると母という字になります。点々とは何か。おっぱいです。西洋でもそう。英語圏内でもエデュケーション、教育、療育、保育、その語源はギリシャ語のエデュースという言葉にたどり着きます。何か。おっぱいなんです。

 だから、育児、教育の原点はすべておっぱいにたどり着いております。赤ちゃんに優しい病院というのは、それを原点としてサポート医療を行っているところでございます。

 ですから、乳児期にまず抱いて語りかけておっぱいをやれるような環境、そしてその支援、これによって、子供を産んだ女性を母親に、そして生まれてきた子供に心を入れる、これが赤ちゃんに優しい病院の一番大きなポイントです。

 そして、今おっぱいというのはもうミルクとの比較ではありません。栄養がそろっている、免疫がある、これよりもこの乳首の生理が新しくわかってきました。乳首を吸われることによって、お母さんの脳にプロラクチンとオキストシンというホルモンが分泌されます、その刺激によって。その2つとも母性愛ホルモンあるいは愛情ホルモン、そしてそれが脳の中枢にある母性中枢を刺激して、子供を産んだ女を母親に変えていくということが新しくまた科学的にわかってきたわけです。

 さらに、文部科学省が2005年の10月に、今の子供たちの心の問題、犯罪、それは結論的に心の問題であるというふうにもうちゃんと出しております。文部科学省がせっかくこんなことを出しているのに、日本国民はほとんど知りません。大きな問題です。

 子供の人間関係や社会的適応能力の育成のために、今こそ養育者による適切な愛着形成が必要であるというふうに結論を出しています。

 これはまさに基本的信頼関係です。

 この愛着形成のために、じゃ何をやったらいいか。まずは具体的に抱いて語りかけておっぱいです。これを普通の全国の産科で今全部しているでしょうか。ほとんどまだやられていないのが現状なんです。それを赤ちゃんに優しい病院というのは全部これをやってくださっています。ここが原点です。だから、生まれてきた子供に心を入れる。熊本市立病院の重要な役割は、生んだ女性を母親に、生まれた子供に優しい心を、これが原点なんです。これをつぶそうなんていうのはどんでもないことだ。

 乳児期の育児というのは、そういう甘えをしっかり受け入れて、抱いて、語りかけて、おっぱいを上げることによって裏切られない信頼、心のふるさとを子供に植えつけていく、これが一番大事なことなんです。

 子育ちの基本というのは大体4段階に分かれます。乳児期、これは心の安定を築いてやる。それから、お母さんから離れて今度は自立、自主性、さらには幼稚園、外に出ていって社会性を学び、最後は学校で知性を学びます。一番下の心の安定がしっかりしていなければ、上に乗っていくものはみんなぐらぐらしていきます。一番大事なこの乳児期の育児というのをもう一回私たちは考えてみないといけないというふうに思います。

 私は、厚生労働省の科学研究で今健やか親子、そこの主任研究者をやっておりまして、全国の産婦人科、それとベビーフレンドリーホスピタル、赤ちゃんに優しい病院、これらにアンケート調査をしました。

 すると、赤ちゃんに優しい病院では、1カ月の母乳率が9割以上です。今全部9割以上です。今妊娠中のお母さんたちが望んでいるのは、生まれてからおっぱいで育てたい、これが96%です。けれども、現実に今日本は1カ月で43%まで落ちているんです。96%のお母さんが望んでいるのに、現実は43%です。しかし、赤ちゃんに優しい病院ではみんな9割以上いけているんです。この差は何なんでしょう。まだまだ一般の病院ではこういう理解がなされていない、これは大きな問題です。生まれたときの産婦人科、産科医の正しいサポートが受けられていないというのが現状です。

 そして、出産そのものにも満足度が高く、快適性も満足度が高く、育児支援に対しても満足度が高いというのがお母さんたちの意見、BFHに寄せられたアンケートです。

 今アメリカではもっともっとすばらしいデータが出て、小児科学会がそれを世にアピールしています。今ミルクで育っている赤ちゃんを母乳に変えたら死亡率が20%減る。突然死、糖尿病、肥満、ぜんそくに対する保護作用があり、母親の卵巣がん、乳がんのリスクも減らせる。医療費の節減にもなり、乳児疾患を減らせる。さらには、調乳ポット、哺乳瓶による環境問題の軽減にまでこれは及ぶということを米国小児科学会が出し、今アメリカは2010年国民運動として赤ちゃんの母乳率を76%まで上げよう、国民運動です。

 日本でも大きな類似する問題が起こったのは皆さん御存じと思います。長野県の上田市産院で、実は熊本と同じように産院が赤字財政で廃院をしようという意見が出されました。議会でも出されました。ところが、市民の声が出まして、反対運動が起こり、結果的に長野県上田市産院は存続になりました。そして、今、上田市産院は、妊娠、出産、子育ての総合的で中心的な役割を担う施設として、分娩もふえ、存続しております。立派な上田市産院に発展していきました。

 もう一つ、山口県光市で、これは市議会で第1番目に承認されたこと、それは光市おっぱい都市宣言です。光市で生まれる子供たちをみんなおっぱいで育てましょう、これが表向きの言葉ですけれども、原点は母乳育児を含めた育児文化の伝承、そして、子育て支援を目指し、将来の光市を担う子供たちのための基本的な原点を見据えた政策です。まさに原点を見据えた政策を光市が始めている。

 こんなすばらしいことが今行われている。なのに、熊本市は無理解からの時代の逆行を選択するのか、この2つに見習うのか。今全国の注目を集めているわけです。

 熊本市の公約、市民参加と子育て支援、ちゃんと載っております。

 私は、一つ感動しました。それは、一つの捨てられようとする命のために尽力された幸山市長の慈恵病院におけるこうのとりのゆりかご政策、これには感動しました。私もそれに対していろいろなマスコミからお伺いをいただきました。私は手を挙げて感動し賛成いたしました。

 ところが、一方で今将来の熊本市を担う多くの命、心をはぐくもうとする産院の廃止は、公約にも矛盾し、理解できません。こうのとりのゆりかごと全く別な方向に走っている。この矛盾はどこから来ているんでしょう。何かほかの原因があるのかもわかりません。

 私は逆に提唱したい。熊本市産院を、このこうのとりのゆりかごに引き続き、こうのとり産院へと変えてもっともっと発展させていただきたい。まさに熊本市の財産です。熊本市議会の英断を期待して、言葉は悪いですけれども、金をとるか、優しい心をはぐくむのか。少子化問題とこれは共通する問題だと思います。

 将来の熊本市を担う子供の育成という問題、これを考えたら、この一つの財産を切り捨てることは大きな損失です。優しい心を持った子供をいかに育てるかが今問われているんです。そして、全国の注目を浴びているわけです。そのために赤ちゃんに優しい病院が果たす役割は極めて大きいです。これができないとするならば、これは世界あるいは日本の中で非常に大きな注目に値するというふうに思います。

 ぜひ皆さんの英断をここではかりたい。そのためにきょう私はこの席に座ることを許されました。ありがとうございました。 平成20年第

 3回保健福祉委員会,09月16日-02号